Passeggiata in SpaccaNapoli スパッカナポリを歩こう
ユネスコの世界遺産にも登録されてるナポリの旧市街地。地元っ子には、デクマーニ、スパッカナポリなどの愛称で親しまれているこの地域は、ナポリの歴史が始まってから現代に至るまで全てが凝縮された場所。
道を歩けば、たくさんの教会、歴史的な建物、細い路地が交差したこの地域は、、ナポリ文化の象徴と言える。大道芸人、バールにピッツア、お菓子にプレセーピオなど、歩くたびに、次から次へと色々な物が出てくるおもちゃ箱のようだ。
下町特有のオープンで明るい地元っ子達が、笑ったり、泣いたりを繰り広げる人情劇場に会えるだろう。ここでは、ぶらぶらと何もせず、カッフェに座ってぼーっとしたり、教会を見学したりしてゆっくりと過ごしたい。
さぁ、素顔のナポリっ子に会いに行こう!
● スパッカナポリの教会群
● 地下のナポリ
ジェズー ヌオォーボー教会(Chiesa di Gesu' Nuovo)
ジェズ・ヌオォーボ(Gesu Nuovo)広場:
スパッカナポリ地区の出入り口とも言える大きな広場の中心には、インマコラータの塔は18世紀に入りイエズス会によって建立されたバロックの記念碑で、一番上にはブロンズのマリア像が置かれている。また、広場に面してツーリストインフォメーションがあるので、地図が必要な場合、ここで無料でもらう事ができる。
ジェズ・ヌオォーボ(Gesu Nuovo)教会:
一見すると普通の教会とは全く違う作りの正面ファサードが面白い。実は、15世紀当時に貴族の宮殿として建築されその後、16世紀末にイエズス会の教会として改築された。大きなピラミッド型の石の連鎖で出来た壁に、大きな天窓といった、貴族の屋敷の名残がある。
外側からは想像できないほど大きな教会で、多色大理石をふんだんに使用したバロックスタイルで装飾されている。ナポリで活躍した彫刻家コジモ・ファンザーゴや、画家フランチェスコ・ソリメーナの作品が残る。
サンタキアーラ教会:
第二次世界大戦時に大爆撃を受け、戦後建築時のゴシックスタイルで再建された。教会の歴史はとても古く、1310年当時ナポリを支配していたフランスのアンジュー家ロベール王と、その妃でスペインのマヨリカ出身のサンチャ王妃によって着工された。サンチャ王妃はとても信仰熱い女性だったそうだ。内部の装飾はほとんど残っておらず、焼け落ちた建物から拾い出されたアンジュー家のロベール王の墓碑や、教会内部を装飾していた大理石の柱などで中央祭壇を構成している。
クラリスの回廊(Chiostro di Cralisse):
こちら 教会の正面左手の奥に入口がある。1740年頃にマヨルカ焼きで装飾された田園風の回廊は明るく、静かで修道女たちの瞑想の場だった。ベンチには、一つ一つ違う絵が描写され、当時の田舎の風景や、修道女の日常、神話の話が描かれ、回廊部分には聖人達のフレスコで装飾されてる。また奥には爆撃前の装飾のオリジナルを集めた部分と、古代ローマ時代の浴場遺跡が複合した博物館になっている。
サンセベーロ礼拝堂(Capella di San severo)
サンドメニコ広場から、路地を入り、ナポリ大学の前を登ってすぐ左手にある。発明、芸術、文学を愛したこの屋敷のオーナー、ライモンド・ディ・サングロの好みで飾られたバロック洋式の礼拝堂で、数々の特殊なものが展示されている。
小さな礼拝堂の真ん中に置かれた大きな彫刻が必見の『ヴェールに包まれたキリスト』(1753年 ジュゼッペ・サンマルティーノ)で、その優美な大理石表面処理と、繊細な光の効果は世界有数と言われる。そして中央祭壇手前の左には『ベールを被った謙譲の寓意女性像』はアントニオ・コッラディーニの作品で美しいベールの曲線に目を惹かれる。右にはフランチェスコ・クイエイエーロの彫刻で、技術特に、縄の部分や、レース使い部分などの細部の彫刻は圧巻だ。
そして礼拝堂の地下へ下る前の床は大理石の迷路模様で、浮き彫り装飾のレリーフが壁に掲げられている。階下には、男性、女性それぞれ一体づつ、人間の血管の標本があり、ライモンド・ディ・サングロが、変な趣味を持っていたといわくつきの科学者であった証拠だ。
サンドメニコマッジョーレ教会(San Domenico Maggiore)
サンドメニコ広場: ジェズーヌォーボー広場と似た雰囲気の尖塔が建つ広場。 小さな広場は大学生でいつも賑わっている。このあたりは、ナポリ大学、ナポリ東洋大学、音楽大学など、学生街のどまん中にある。
サンドメニコ教会を取り囲むように貴族の屋敷であった、Palazzo Petrucci、Palazzi Coriglianoを配し、中心には当時蔓延していたペストの終焉を祈願し1656年に彫刻家コジモファンザーゴによって建てられた尖塔が空を貫く。
サンドメニコ教会:サンドメニコ広場の左奥に小さな階段が見える、ひっそりとした佇まいの教会だが、その歴史は古く、1283年あンジュー家のカルロ王によって建設が始まる。その後増改築と1506年の火災でほとんどが崩壊してしまったが1850年からネオゴシックでリニューアルされた。外観は地味な作りだが、内部には中世、ナポリを支配していたアラゴン家王族の柩が中層部に収められた聖具室、その天井のフランチェスコソリメーナのフレスコ画などは必見。
現在カポディモンテ美術館にあるカラバッジョの『キリストの笞打ち』はこのサンドメニコ教会のために描かれた。
大聖堂(Duomo)
カテドラルとしては1200年代末にアンジュー家のカルロ王により建設されたが、その後何度も増改築を繰り返し、19世紀末から20世紀にかけ再建された。大聖堂中央祭壇には、平和のシンボルの白い鳩があり、神々しい。
Capella di S.Gennaro(聖ジェンナーロの礼拝堂):
ナポリの守護聖人を祀るサンジェンナーロの礼拝堂がある。1527年に評議会委員の寄付によって建立され、一年に3回の聖人の血液溶解のミサを執り行う。また、中央祭壇の下には、聖人の地下礼拝堂もあり、こちらには遺骨が祀られている。
Battistero di Santa Restituta(レスティトゥータ洗礼堂):
出入口左手の奥には5世紀のん後半に建設されたがあり、その中には洗礼堂がある。今から1500年も前に作られたとは思えない、ブルーのモザイクで彩られた洗礼堂だ(有料)。また、地下へは考古学ゾーンへと続く道があり、古代ギリシャ、ローマ時代の道路や水道管の遺構が見学できる(有料:現在修復中のため公開中止2015)また、左奥を飾る美しい聖母子像のモザイクは1322年に作られた。
スパッカナポリの地下に眠る巨大地下豪『Napoli Sotterranea』。ナポリに初めて上陸したギリシャ人が残した石切場の大きな穴は、次にやって来た古代ローマ人が穴と、穴を狭い水路でつなぎ合わせつて大きな貯水槽として利活用し、中世の時代は修道士たちがワインやサラミなどの冷蔵庫として、第二次世界大戦中には防空壕として利用された。
古代ローマ人によって作られた狭い水路を、ロウソクをもちながら各自前に進むこのツアーのクライマックスは冒険心を掻き立てる。まるで映画のようだし、を地上から貯水槽まで大きな穴をあけて、壷をつけて、井戸としてくみ上げて使っていた。高さは場所によってだが、大体15Mほど。 現在もその井戸の穴を地下からみる事ができる。 スパッカナポリをじっくり見たいなら、このツアーもぜひおすすめ!
ツアーは、英語かイタリア語での説明つきで所要時間1時間(地下)&30分(ギリシャ劇場)
一度地上にあがり、別の場所へ移動してまた地下に潜ります。全部見ると約90分
サンロレンツォマッジョーレ地下遺跡(Scavi di S.Lorenzo Maggiore)
サンロレンツォマッジョーレ教会:
1265年元々初期キリスト教教会のあった場所に、アンジュー家のカルロ王によって建設が始まった。その後1742年正面ファサードは再建されたが、1300年代の面影が垣間見えるゴシック様式の内装。
教会に1併設した回廊に面した部屋の数々は1400年代に王家の会議場としても使われた。
地下遺跡:
教会の回廊から地下へ続く階段をおりていくと、ギリシャ、ローマ時代に生鮮食品の市場としてつ使われていた、Maccellumや、財産を保管する金庫の四悪割を果たしていた、Aerariumなどが見学できる。ここは小さなポンペイ遺跡のようだ。ギリシャ、ローマ時代に生鮮食品の市場としてつ使われていた、Maccellumは、売り物を並べていたカウンターなど、今でもはっきりと見ることができる。
また、地下へと続く道には更に中性の時代の建物などが発見されており、古代ローマ時代、中世、現在と約3層に渡り地下に埋もれていた建物が見学できる。
● プレセーピオって?
ベツレヘムの馬小屋で生まれたキリスト生誕の様子を人形とジオラマを使って表現しているミニチュアの事で、ナポリがブルボン王朝のカルロ三世に統治されていた時代(1734-1750)王が貧困に苦しむ庶民に手工芸を与えるべく、推奨していた。
現在でもここサングレゴリオアルメーノ通りには、昔ながらの工房が軒を連ね、クリスマスの季節ともなると、キリスト教各国の観光客がこぞって買い付けにやって来るヨーロッパでも有数のプレセーピオショップが軒を連ねる通りだ。約50Mほどの小道だが、ぶらぶらと歩きながら見てみよう。小さなものから大きなものまで多種多様な品揃えで、手ごろな価格で小さなものもあるので、ナポリならではのお土産にも…。
1800年代に製作された貴重な貴族のプレセーピオは、ナポリ市内のボメロ地区にある、サンマルティーノ博物館にて見学することが可能。ブルボン王家がコレクションしたアンティークのプレセピオなら、カゼルタの王宮内に展示がある。見ていてとても楽しくなるので、ナポリに来たなら一見の価値あり!
● スパッカナポリの食堂 (ピッツェリアはピッツェリアのページをご参照下さい)
ダ カルミネ(Da Carmine)
既に100年近くスパッカナポリの中で食堂を営んできた、歴史ある店で、この場所に移って既に50年。
メニューはナポリの郷土料理、家庭料理がメイン。トラットリアと名前があるが、基本的にはレストランと大差はない。
お勧めは、野菜類の前菜、パスタはナポリならではの、ラグーソースや、玉ねぎのジェノベーゼソースなど和えたパスタ、メインは肉なら、ソーセージとフリアリエッリなど、ナポリの家庭料理メニューがずらりと並ぶ。
Via dei Tribunali, 330
ラ カンパニョーラ(La Campaniola)
元々は一杯飲み屋が、おつまみを出していたのだが、奥にテーブルを置いて食堂化した。改装後はオープンキッチンで、中での作業の様子も見ることができる。奥の黒板に書かれたのが本日のメニュー。できれば、こういった、旬のものを活かした季節料理がお勧めだが、ボンゴレのパスタなど通年メニューもある。
テーブル数が少ないので、早めに行こう。(12:00~)
Via dei Tribunali, 47
カンナート(Cannato)
お肉屋さんが経営するパニノテカ(パニーノ店)なので、隣は肉屋さん。
パン(バンズは2種類から選ぶ)、お肉(鶏・牛パテ、ハムサラミ類)、野菜やチーズを自分で選び、作ってもらう。お肉の新鮮さはもちろん、野菜の付け合わせも全て自家製!テーブルは外に数個あるだけで、混雑時は立ち食いだが、とてもエコノミーで美味しい。テイクアウトもできるので、野菜類や肉団子、ナポリのソウルフードFrittatia di maccheroni(パスタの卵焼き)などもお勧め。
Via San Biagio Dei Librai, 128
ナポリ料理の『ラグー』専門店。ラグーは、牛・豚の複数の部位を濃縮トマトソースでひたすら煮込んだナポリの伝統料理。
さほどこってり感がないので、美味しく食べてしまうが、そのあとはやはりズシーンとくる。ラグーソースはパスタかパンで頂く。パスタがいい場合はパスタの種類選んで注文する。グラニャーノ産の発泡赤ワインも美味しい。
Via Paladino, 51