L'isola di Procida プロチダ島
プロチダ島は、人口は約1万人で、全長4.1Km。ナポリ湾の島の中では一番小さな島で、ナポリから高速船で40分または、フェリーで約1時間と充分日帰りが可能。
プロチダ島は、90年代にナポリ人俳優、マッシモ トロイージ主演の映画『IL POSTINO』の撮影で一躍脚光を浴びた今でも漁港をもつ、現役漁師の島。
プロチダは、イスキアや、カプリと違い、いわゆる、「観光化」が立ち遅れているおかげで、島民の暮らしを肌で感じ取ることができる、魅力的な部分がある。
島の南側には、WWFの保護区域に指定されているヴィヴァラ島が一望でき、自然の地形が素晴らしい、キアイオレッラ浜。そして、北側には、映画の撮影にも使われた、ポッツォベッキオ浜などがあり、夏は海水浴客で賑わう。そして、港近くの西の高台には、プロチダっ子の心の拠り所、元修道院の、サン・ミケーレ教会がある。また、プロチダ観光のクライマックス、コリチェッラは島一番の自慢スポット。
また、毎年、復活祭前の金曜に行う宗教行列、VenerdiSantoのミステーリが有名。
● プロチダ島内の移動
島内は基本的に徒歩で観光が可能だが、キアイオレッラやヴィヴァーラ方面へ行くならバスがお勧め。全ての路線が港発着で、バスターミナルは港の船チケットセンター近く。
LINEA 1: Porto – Marina di Chiaiolella / LINEA 2: Linea1が循環して港にもどるが、通る道は同じ。
LINEA C1:Porto –Cimitero – Spiaggia del Postino(映画Ilpostino撮影の浜)– Porto
LINEA C2:Porto –Terra Murata–porto(サンミケーレ教会・展望台)– Porto
タクシー
プロチダに行くなら、ミクロタクシーでの島内観光が風情があって、楽しい。現代化の波で、50年代はポピュラーだった、ミクロタクシーも、プロチダではたった2台だけになってしまった。基本的には徒歩で回れるが、港と反対側の島の端にあるビーチからは、隣のイスキア島が見えたり、海水侵食した変わった形の島や、地層、映画の撮影に使われたビーチなどにも行くことができる。速さを求めるのなら、普通のタクシーに乗るべきだが、ここはプロチダ、ノンビリ行きたい。最高5名まで乗車可能。
● プロチダ島の見どころ
Abbazia di S.Michele Arcangelo(サンミケーレ修道院)
この教会が建つサンタンジェロ岬が、プロチダで一番高い場所。11世紀はじめに建てられたベネディクト派の礼拝堂で15世紀にサラセン人の強奪にあいながらも 多くの書籍や宝物が残る。3階建ての海に張り出した修道院で、1階は教会部分で、午前中なら見学が可能。プロチダの守護聖人「大天使ミカエル」の勇ましい彫刻が目を引く。
地下の図書室へとつなぐ階段がある。 図書室と小礼拝堂、人骨の残る昔の市民埋葬場の見学は有料。階段を下りると右が17世紀貴族の装飾用、左が18世紀一般市民用で人形の作りや、衣装を比較するとわかる。 どちらも当時のもの。奥には15世紀から現在に至る8000冊の本をテーマ別に整頓した図書室となっている。 図書室から脇から降りていくと、そこでスペイン占領下時代に行われていた礼拝の道具や、 棺、そして頭蓋骨が登場でちょっと恐。地下2階は、貧しい人の共同埋葬に使われた場所。 この海の一番奥に今なお数体の遺骨が残る。
Terra murata(テッラムラータ)
サンミケーレ教会のある、このあたりの地区は、テッラムラータ(壁で囲まれた場所)と呼ばれ、その名のとおり、頑丈な岩盤の壁で囲われた住宅地。
このあたりはプロチダで最も古い場所で、昔海辺に住んでいた漁師たちが、度重なる海からの襲撃にたまりかね、プロチダ島で一番高いこの岬に住宅地を作ったのがきっかけ。実際、島の守護聖人、サンミケーレも1535年、サラセン人の略奪から島を守ったから英雄なのだ。
元刑務所だった場所(現在バス停広場)のあたりの地層は、ものすごい岩盤で、その岩盤の上に現在の家がまるでのかっているように見えるのが特徴的。多くの家族が共用の中庭をもつ建物で(ヴィチナートというコミュニティ)よそ者はなんとなく入りづらいが、面白い建物だ。
● 港から展望台へ
これを見なくてはプロチダ島に来たと言えない! 高台から見る美しい入江コリチェラの眺めは、プロチダ観光のハイライト。
ナポリからの船がつく港からは、Abbazia di S.Michele Arcangeloを目指し、海を背にして左手の、サンチョカトリコ地区へ。レストランや商店がいくつか立ち並ぶ通りを抜けると、右手に登り坂が始まる。
途中の分岐点は、(茶色い看板あり)左手に進むと、ほどなく、黄色く大きな屋根を持つS.Maria delle Grazie教会が見えてくる。迷わず坂道を登ると、大砲のある展望台へ到着。プロチダ!一番の眺めが待っている。
展望台の奥に小さな礼拝堂(入場無料だが、閉まっている事が多い)があり、Misteriと呼ばれる、キリストが十字にかけられた聖なる週(セッティマーナサンタ)の宗教行列で使用する山車を公開している。イースターのプロチダの宗教行列は有名。
● 現役漁師の愛らしい入江Corricella(コリチェッラ)
愛らしい入江は今でも現役の漁村として、小さな船がたくさん並ぶ。海から丘に向かって立ち並ぶ家々は、個性豊かなパステルカラーに塗られて、絵本のような景色が旅人を魅了する。「海の上、遠くからでも自分の家がすぐわかるように…」という、漁師の願いを込めて、派手な色に塗られた家々。地中海の明るい日差しにはなんとも似合う。
また、イタリア名画『Il Postino』のロケ地としても有名な場所。主人公Marioが恋するBeatriceの家が、この愛すべき入江”コリチェッラ”の一角に今でも映画そのままの姿をとどめている。詩人パブロフネ”コリチェッラ”ルダに恋の手ほどきを願うMario。そんな名画の中のシーンのなかで、ランチはいかが?
この”コリチェッラ”には、たくさんのシーフードレストランがある。車が入れない場所なので、ゆっくりと食事が楽しめる。