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Trani トラーニ

 ナポリ~バーリ間の高速道路を走ると、州都バーリに到着する前に、トラーニの町を通過する。バーリより少し北のアドリア海沿岸上のこの人口5600人ほどの小さな町トラーニは、日本人にあまり知られていないが、隠れた魅力が点在する。
港町ゆえ、小規模ながらも漁師が新鮮な魚を水揚げし、地元の小さな港で販売している。港のまわりにはシーフードレストランもあり、そんな景色を眺めながら食事をして、美しく整備された旧市街地をあるけば、トラニの大きな魅力の美しいカテドラルのある海沿いの広場に出るだろう。海のすぐ横に建てられた荘厳なカテドラルはバーリ同様、聖ニコラが奉られ、背の高い鐘楼が青空に向かってまっすぐ伸び、背景の海の青さとマッチして素晴らしい景観を作っている
のんびりと小さな港町の風情を楽しみたいなら、一泊しても良いかもしれない。
夏の間はバカンス地として人気が高く、小さな町は飽和状態になりがちだが、初夏、初秋は人もまばらで天候も温かく、おすすめシーズンだ。また、アルベロベッロに宿泊し専用車の周遊プランで、ポリニャーノ・ア・マーレなどと一緒に一日で回ることも可能。小さな町巡りが好きな方にはお勧め。

● トラーニの見どころ

カテドラル (Cattedrale)

1099年ビザンチンの司教がカテドラル建設に着下。その際、トラーニの町を囲むこの美しい薄ピンク色の凝灰石の岩盤を使い建設が始まる。カテドラルに隣接する鐘楼は13世紀に建設が始まる(木製階段を登り頂上へ行く事もできる(有料))。カテドラルの中は広く、地下礼拝堂も素晴らしい。カテドラルは巡礼者ニコラを奉っている。ニコラは1075年ギリシャのスティリ生まれで早くに孤児として8歳から神父を始めた。その後、一定場所にとどまらず、道で生活をしながら放浪生活を続けるが、人々の非難の的となり、一時的に修道院に入る。そこでも他の修道士とうまくやって行けず、レーパントから巡礼の最終目的地ローマを目指す。
しかし、ローマではなくオートラントに到着し、その後物乞いとしてトラーニへやって来た。この物乞いは
子供たちにだけは何故か?食べ物を与えていたので、そんな乞食は見たことがないと、若者の間で評判になりやがて司教が、「それは、街を守ってくれる神のお告げに違いない」と思う。だがニコラはトラーニ到着後少しして亡くなってしまう。死後すぐに、多くの人々の病が回復し奇跡が起こった事から、若者たちと司教はローマに赴きローマ法王に巡礼者ニコーラの聖人化を嘆願し、ほどなく願いは届き、列聖され、この場所にカテドラル建設が始まった。

カテドラルを訪ねた後、時間があれば、スベーヴォ城にも足を延ばしてみたい。バーリの町にもホーエンシュタウフェンのズベーヴォ城がある。ここトラーニのズベーヴォ城は大きな岩盤の上に1233年ごろ建設が始まり城塞化された。町の中心の停泊地として海からの攻撃から守るように作られている。もともとその場所には10~11世紀の塔があり、塔は城建設の際、城の入口としてリノベーションされた。血の歴史として塔のうちの一つは、1237年のCorteNuovaの戦いの際に捕虜としてとらえられた数名がフェデリコ2世の命令により絞首刑されたり、牢獄として使用された。明るい話としては、フェデリコの息子、マンフレーディが二番目の妻、エレナと結婚式を挙げた場所でもある。
​その後フランスのアンジュー家、スペイン王カルロ5世などの支配を受けてきた。

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