Locorotondo ロコロトンド
● ロコロトンド ~イタリアの最も美しい村々に認定~
日本人にあまりにも有名なアルベロベッロとこのロコロトンド、マルティーナフランカ、チステルニーノに取り囲まれるような窪地の地形をイトリアの谷と呼んでいる。この辺りの道路の脇には石積みのガードレールが作られ、真っ赤な土の畑。その奥にはぶどうや、オリーブが植えられ、イタリア人が真っ先イメージするであろう、プーリアの典型的な景色が広がる。
ロコロトンドは小高い丘の上に作られた、丸い町。ラテン語のLocus Rotundus(丸い場所)に由来する。名前のロトンドとは円輪とか、円陣など、丸い物を意味し、ロコとは場所の意味である。ロコロトンドは上空から観ると、文字通りリングのような形をしている。そして、街に入る前に、遠方から眺める姿が一番美しかもしれない。
ほかの街に比べると、家々の屋根が急勾配で、なんだか?ヘンゼルとグレーテルのお菓子の国の家のように見えてくる。そんな屋根を持つ細長い家々にぐるっと取り囲まれたロコロトンドの街は、白い王冠とも言われている。イタリアの最も美しい村々(I Borghi piu' belli d'italia)の一つにも選ばれている。
● ロコロトンドのワイナリー
カンティーナ ロコロトンド(Cantina Sociale di Locorotondo)
ロコロトンドには、この一帯の畑で栽培されたぶどうを使ってワインをつくるカンティーナ(ワイナリ)が数社ある。
1195年頃にはもう既にこのあたりでは、白ワインを造り始めていたという記述もあり、その歴史は意外に古い。白はVerdeca(ヴェルデカ)というロコロトンドのある、イトリアの谷一帯で作られる品種を基軸にブレンドしたもの、赤はプーリア州ではメジャーな品種である、Primitivo(プリミティーヴォ)が多い。
Cantina del Locorotondo社ではプーリア州で初めて、1930年から共同運営でワイナリを設立。1969年に初めてDOCを取得した。現在、工場は最新機材を導入しながらも、地元の地層である、キアンカレッラの石を使って作られた建物、ワイン蔵で熟成を行っている。
ワイナリを見学したり、購入も可能。気さくに対応してくれる。サイトは無いようなので電話をしてから訪問した方がよいだろう。
Via Madonna della Catena 99, Locorotondo TEL:080 431 1644
Martinafranca マルティ-ナフランカ
● マルティーナフランカ ~他とは一線を画すバロックで生まれ変わった街~
プーリア観光の中心地、アルベロベッロからSUD-EST線で約10分ほどのマルティーナフランカ。ただし駅から見所の旧市街地までは約1キロほどの距離。少々登り坂がきつい感じだ。標高431Mと、イトリアの谷を囲む小さな町、(ロコロトンド、アルベロベッロ、マルティーナフランカ、チステルニーノ)の中では一番高い場所に位置する。
町のシンボルは9月20日広場から続くサントステファノ門。この町の代表的な建築14世紀に作られたが、その後取り壊し、1764年に現在のようなバロック様式の門になった。門のてっぺんには馬に乗った聖人の彫刻が見られる。また、このサントステファノ門以外にも聖ニコラ、聖ピエトロ、聖マリア門などもある。
入ってすぐに市役所として利用されている、貴族の元宮殿があり、内部は一般見学が可能。フレスコ画が美しいサロンなどがある。
via Pisterolaに見られる中世アンジュー家属国支配時に城壁が作られその際に人一人通るのがやっとだった秘密の抜け道「LA POSTERLA」が今でも残っているのが面白い。
● 旧市街地の見どころ
ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)
マルティーナフランカの1番の見所は「パラッツォ・ドゥカーレ」と呼ばれる元公爵の館。門にはイタリアの国旗やEUの連合旗などが掲げられている通り、現在は市役所として使われている。
この元侯爵の館(現市役所)の中の幾つかの部屋を一般公開している。公爵専用礼拝堂(Cappella dei Duchi)、貴族の間(Sala Nobile)公爵が使用した3つの部屋、アルカディアの間(Sala dell'Arcadia)・伝説の間(Sala del Mito)・聖書の間(Sala della Bibbia)などが見学可能。
特に壁全面に絵が施された1766年にドメニコカレッラによって書かれたアルカディアの間は、色もビビットで、ロココ調。田園的な雰囲気がプーリアの大地を物語っているようで印象深く残るだろう。
入場料は無料だが、9:30~12:30、17:00~19:00と時間が決まっているので注意が必要。午後は夏季のみで、冬季は当てにならないので午前中に訪れよう。